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軍事

2015年10月29日 (木)

金子常規『兵器と戦術の日本史』(中公文庫、2014)

点検読書25

①歴史――戦史

②武器の殺傷力・移動力・防御力、そしてそれを装備した兵たちを動かす戦術の変化を日本史の中から読み解くことで聖人たちの成功と失敗、とりわけ偶然による成功によって失敗が隠されてしまった事例を学ぶことが現在の安全保障を考えるにあたって重要となってくる。

③古代からミサイル戦略の時代までを概観している。特徴的なのは、兵器から歴史を読み解く視点とともに、その歴史観である。朝鮮半島をめぐる400年史という古代史、にわかづくりの律令国家の徴兵制、遠方の司令部の現場との齟齬による失敗(頼朝、秀吉)等々、独特である。また石田三成、木戸孝允といった文官による外征論・戦略論に厳しく、加藤清正、西郷隆盛などの現場指揮官に好意的である。

コメント
読みどころは、著者の独自の歴史解釈が映える古代史である。

イザナギに比定される帥升が天つ神に比定される漢王朝からの鉄器独占輸入を背景に、九州から朝鮮半島の一部、大和にまたがる統一国家邪馬台国を建設をする。漢王朝の衰退と鉄器の独占の崩れから「桓・霊」時代の倭大乱で九州へと撤退を余儀なくされる。また朝鮮半島は新羅に大部分奪われる。

その邪馬台国を引き継いだのが、アマテラスに比定される卑弥呼で、卑弥呼は朝鮮半島奪還を目指して、魏王朝と接近する。魏の使者の張政はタカミムスヒに比定。一方で、新羅(=根の堅州国)に近い感情を持つ卑弥弓呼=スサノオと卑弥呼が対立して、九州の邪馬台国は一度卑弥弓呼の手に落ちる。

卑弥弓呼は、大和進出派=統一国家派である。しかし、『魏志倭人伝』に書かれているように男王の下で倭国大乱となり、台与によって奪還される。しかし、卑弥呼の朝鮮半島奪還政策は放棄され、後継の神武天皇によって東征路線をとり、再び大和の邪馬台国が復活する。こういう流れである。

しかも、これが日朝400年史として描かれ、親新羅の統一国家派と朝鮮進出派の路線対立が古代史の一つの構図として描かれている。また、卑弥呼の死にも繋がるが、新羅が危機に陥ると日本国内で指導者が死ぬ(崇峻天皇、斉明天皇など)という法則が見られると指摘しており、著者の朝鮮半島への疑惑というより、そうした外国勢力と結びついた国内勢力への嫌悪感が見られるようで微笑ましい陰謀論をほのめかしている。

2015年10月 6日 (火)

点検読書1 松村劭『戦争学』(文春新書、1998)

点検読書の方法はこちら

①軍事――戦史

②過去の戦術を学ぶことが現在の安全保障を考えるにあたって必須である。

③古代ギリシャから現代の核戦略時代までの「戦闘教義」=得意技の分析を通して、その長短を述べる。またそれらを使いこなした名将に着目。

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