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月のまとめ

2013年10月17日 (木)

9月のまとめ

2013年9月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4733ページ
ナイス数:166ナイス

プリズム (創元推理文庫)プリズム (創元推理文庫)感想
第1章読んでつまらんな~と思って、第2章が始まると、その展開に興味を持ち始め、第3章、第4章と読み進めると…。物語「を」楽しむということよりも物語「で」楽しむというミステリー上級者向けの小説であった。これはこれでありなんだろうけど、娯楽として読むとなると少々酷な感じも。
読了日:9月29日 著者:貫井徳郎
動機 (文春文庫)動機 (文春文庫)感想
ウィキペディア先生によるとD県警シリーズということだが、二渡の名前が出てくるのとD県が舞台らしいとの連続性しかみられない。これってシリーズと呼べるのか。という感想が浮かんでしまったが、本書に収録された各短篇はそれぞれが他の作品にくらべて、読者に謎かけして推測させるようなミステリー要素が強い。三作品は最後に希望を持たせるような終わり方をするが、最後のは…。警察、事件の被害者・加害者、新聞記者、判事と息苦しい生き方の中で起きてしまった揺らぎの事件集。
読了日:9月26日 著者:横山秀夫
臨場 (光文社文庫)臨場 (光文社文庫)感想
一つの章にいくつかの「死体」が登場しつつ、それが一つの物語としてつながっていく流れが秀逸。ドラマは一回みて、つまらんと思ってしまったが、原作の方は硬質な文体の中で、感傷的に流れそうで流れない上品に、しかし熱い感動の話が何篇かあり、読んで良かったと納得の作品であった。
読了日:9月23日 著者:横山秀夫
探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)感想
最初は独特な文体というか語り口が鼻についていたが、読み進めるとそれが何とも心地よくなってくるのが不思議。北大中退という主人公(作者も)の経歴の屈折から来る「バカ」たちへの容赦ない批評が気になるが、それも物語の終盤にかけて無意味なものではなかったことに気付かされる。人物の造形を説明的ではなく、セリフで容姿、雰囲気、知的レベルを的確に描き出す手腕に感動すら覚える。酒と煙草と女と暴力、ハードボイルドです。
読了日:9月23日 著者:東直己
模倣の殺意 (創元推理文庫)模倣の殺意 (創元推理文庫)感想
ここのところ、ずっとのこのネタばかりなので、スゴイと言われるのは、こればかりなのか、と思ってしまうが、40年前にこれを書いた、という記念碑的作品として楽しませてもらった。
読了日:9月18日 著者:中町信
陰の季節 (文春文庫)陰の季節 (文春文庫)感想
犯罪者を追い詰める警察ドラマではなく、警察内部の事件が外部に漏れるのを未然に防ぐ組織管理のドラマ。警察官の恐るべき出世競争欲を描き出し、サラリーマンではなく官僚組織としての警察像を印象深く楽しませてくれる。
読了日:9月18日 著者:横山秀夫
幸徳秋水―直接行動論の源流 (中公新書 193)幸徳秋水―直接行動論の源流 (中公新書 193)感想
かなり古い伝記なので既知のことばかりであるが、肩の力を抜いた語り口で叙述される秋水の生涯は頭の整理には便利。同じ母子家庭に育った師である中江兆民への思慕と、母親不在で継母に悪夢をみせられた管野スガとの交情という前半生と晩年の破局への家族関係のコントラストが印象に残った。しかし、本作が書かれた時代は社会主義や新左翼運動に希望や期待のあった時代だったのだな。
読了日:9月18日 著者:飛鳥井雅道
第三の時効 (集英社文庫)第三の時効 (集英社文庫)感想
読者に謎解きを楽しませるというより、県警内の人間関係に目を奪われて、いつの間にか事件が解決しているといった感じ。そこが面白いのだが、読者が参加しているという感じはしない。しかしながら、楠見みたいなキャラクターって物書きなら描いてみたい人物なんだろうな。公安ではなく強行犯係だからヒーローになれる人物。こうした魅力的な人物たちを長編の続編には出さずに、そのままで終わってるというのが、著者の潔いところか。
読了日:9月15日 著者:横山秀夫
殺戮にいたる病 (講談社文庫)殺戮にいたる病 (講談社文庫)感想
シリアルキラーの話か~と読み続けていたら、うん、このパターンは…。最近続けて同じようなトリックの作品に引っかかり続けてしまったために半分ぐらいでオチが分かってしまいました。少し時間をあけて読んでいたら、足元がグラリとするような感覚を味わえたのだろうと思えて少々残念。
読了日:9月11日 著者:我孫子武丸
第四間氷期 (新潮文庫)第四間氷期 (新潮文庫)感想
何ともレトロな感じの予知機械作製者が巻き込まれる殺人事件と謎の脅迫者、その背景には国家と財界、そして人類の未来を変える計画が…といったつくりであろうか。本作が、『世界』に連載されたというのがかなり驚くべき事実であるが、どうもこの恐るべき未来も本作の主人公が考える恐怖よりも、そういうものなら仕方ないね、と順応してしまいそうな自分がいるが、そういう気分を書いたのが上田早夕里『華竜の宮』の人類の姿かもしれない。『華竜の宮』のラストの元ネタになるんだろうか。
読了日:9月8日 著者:安部公房
葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)感想
タイトルとは裏腹なオープニングからして仕掛けだったのだ、と後半に至ってガーンとくる。事件自体はサスペンス映画のような内容で新味がないな、と思っていたら、この全体がトリックであったとは。映像化不可能な小説ならではの醍醐味を味わえる作品。
読了日:9月6日 著者:歌野晶午
マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)感想
予知技術による管理社会、ロボット支配、世界創造、タイムトラベル、冒険アクション、サスペンス風味と様々なアイデアが詰まった短篇集。表題作は、以前映画を見て何度も船を漕いで記憶に残っていなかったが、小説版は楽しめた。しかし何よりも「追憶売ります」が素晴らしい。これがアクション映画になるとは意外な感じもするが、ラストのユーモラスなオチも含めて「良い話」。生きている内に「水蜘蛛計画」に登場する作家の作品をどれだけ読めるか。それも楽しみ。
読了日:9月5日 著者:フィリップ・K.ディック
連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)感想
ミステリーが推理小説の意味ととるなら、本作はサイコサスペンスなんじゃないの、と読み続けていたら、なるほどミステリーでした。読者をその方向に誘導しようとする叙述の中にあるいくつかのズレ。これが犯人へと導く糸であり、最後にはさらなるどんでん返しがある。途中までは、誰もが思っているもののこれでいいのか、という流れでありながら、そこは巧妙に避けつつも避けていない気も。しかし、メディアというのは大衆小説の中で嫌われているなぁ。
読了日:9月2日 著者:中山七里
すばらしい新世界 (講談社文庫 は 20-1)すばらしい新世界 (講談社文庫 は 20-1)感想
「万人は万人のもの」をスローガンとする科学技術万能の架空世界物語。そこでは、家族、一夫一婦制、ロマンスのような必然的に排他性をともなう制度や行為は禁止される。これ等の行為は人間を悩ませ、社会的亀裂を生み、混乱の元となるから。さらに読書も良い行為とされない。これも一人で行うために人間の孤立化をまねき、監視の行き届かない思想の自由とともに精神の不安をもたらすからである。この世界では、シェイクスピアを禁書とし娯楽作品しか映画が上映されない。何となくサンデルの授業でシェイクスピアとシンプソンズの比較を思い出した。
読了日:9月1日 著者:ハックスリー

読書メーター

2013年9月 1日 (日)

8月のまとめ

2013年8月の読書メーター読んだ本の数:23冊読んだページ数:7487ページナイス数:70ナイス http://book.akahoshitakuya.com/u/84966/matome?invite_id=84966

■GIANT KILLING(28) (モーニングKC) 読了日:8月9日 著者:ツジトモ

■ヴィンランド・サガ(13) (アフタヌーンKC) 読了日:8月9日 著者:幸村誠

■無冠の男〈上〉 (新潮文庫) 読了日:8月9日 著者:小島直記

■高橋是清自伝 (上巻) (中公文庫) 読了日:8月9日 著者:高橋是清,上塚司

■神様のパズル (ハルキ文庫) 読了日:8月9日 著者:機本伸司

■華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA) 読了日:8月9日 著者:上田早夕里

■華竜の宮(下) (ハヤカワ文庫JA) 舞台設定に関しては、よく造られてるなぁ、という印象しかないが、登場人物たちの発言の裏の裏まで読み込もうとする駆け引きがスリリングで、エリート官僚の世界ってこんなか?と大げさすぎる人物造形が面白い。SF設定を借りた群像劇として楽しませてもらった。よく映画で大物資産家が若者をスカッシュに誘っている場面に出くわすが、その理由が分りました。読了日:8月13日 著者:上田早夕里

■群緑の時雨 ① (MFコミックス フラッパーシリーズ) 時代劇なのかファンタジーなのか…それにしても『スピカ』同様に貧しい親子エピソードが泣かせる。読了日:8月13日 著者:柳沼行

■群緑の時雨 2 (MFコミックス フラッパーシリーズ) 読了日:8月13日 著者:柳沼行

■誰が殺した? 日本国憲法! 日本国憲法三原則の基本的人権・平和主義・民主主義(国民主権)には根拠がないと著者は指摘しつつも、逆にこの三原則は守られているのか、と問うかたちで日本国憲法の問題点を指摘する。世論が注目しなければ人権を守らない裁判所とその根拠を提供する憲法学、平和憲法の理念は政治を制約できていたのか、指導者を国民が選択できない政治システムは民主主義といえるのか。著者は、書かれたことのみを守る護憲ではなく、立憲主義の理念が守られているかを判断基準とする吉野作造の帝国憲法への捉え方を今現在よみがえらせる必要がある、と主張する。読了日:8月15日 著者:倉山満

■それでも、日本人は「戦争」を選んだいかにして当時の日本の政治指導者、そしてそれを支持する国民は戦争を行なうことを選んだのかを該博な知識と史料、先行研究に言及することで、優しく説き明かしてくれる。個人的な発見としては、真珠湾攻撃に対して米国はなぜ無防備でいられたのか。この回答はともすると陰謀論を導きがちであるが、魚雷の発射時の水深度(60メートル)とパールハーバーの深度(12メートル)にかなりの乖離があり、航空機での艦船攻撃に耐えられる港湾に自信をもっていたから、という技術論での回答は納得させられた。他は変わらぬ官僚支配の怖さですな。読了日:8月15日 著者:加藤陽子

■戦争私書 (中公文庫) 著者は、大正デモクラシー時代の旗手として活躍した評論家。その著者の戦時期の思い出を綴った作品であるが、中国知識人との交流、流行思想を追いかけ続けた日本知識人の通弊としてファシズムへの関心(著者の名で『我が闘争』の翻訳本が出た)、近衛文麿への新体制への進言等が述べられる。戦時体制を賛美しつつも、その中に如何に日中和平や自由主義を盛り込むか、その努力のあとを後年の視点から絵解きしてくれているが、その誤解を解くのは難しい。軍国主義者と思われつつも官憲からは「非国民」として警戒された自由主義者の見直しは道半ば。読了日:8月19日 著者:室伏高信

■信長協奏曲 9 (ゲッサン少年サンデーコミックス) 本作のキャラクターが立ってきたとも言えるが、そのキャラで普通の信長物語を描いているのみで、これまでの斬新な解釈というようなものはなかったような。面白かったけれども、次巻に期待。読了日:8月19日 著者:石井あゆみ

■写楽 閉じた国の幻(上) (新潮文庫) 現在の高層ビル化によって、独自の進化を遂げてしまった回転ドアで息子を失ってしまった元大学講師が発見した江戸期の肉筆画をヒントに写楽の謎に挑むという話。上巻においては、肉筆画にオランダ語で書かれた「福は内、鬼は外」からとんでもない人物を写楽に比定していくが、これが閉じられた国での意外な外国との交流が描かれ、開かれた国の独自な進化という回転ドアとの対照が述べられる。しかし、江戸期の肉筆画の洋文がすぐにオランダ語と分らない江戸美術研究家がいるだろうか、と疑問がありつつも面白すぎてすぐに下巻に。読了日:8月22日 著者:島田荘司

■写楽 閉じた国の幻(下) (新潮文庫) かなり盲点をつかれたような写楽の証明。最初の回転ドアから、女性大学教授の出自等々から結論への伏線がはられていた。なぜ写楽が、一時期のしかも最初に出板された作品のみが強烈な独自性を発揮し、また人物の履歴が全く謎なのか。この限られた時間と正体を隠さざるを得なかった理由、そして美術史としての独自な発生。これらを説明するにはこの結論が納得できるし、何より面白い。しかし、後書で書かれているように著者が写楽を楽しみすぎて小説としての謎はいくつも放り出したままのようだ。次回作があるなら謎解きが行われるだろうか。読了日:8月22日 著者:島田荘司

■ファウンデーション ―銀河帝国興亡史〈1〉 (ハヤカワ文庫SF) SFの古典。ポール・クルーグマンは本作のハリ・セルダンにあこがれて経済学者になったという。セルダンの「心理歴史学」は、経済学や社会学を下敷きにして数万年後をも見通す理論で、銀河帝国の崩壊とその後の3万年の混乱期を千年に短縮させるために科学技術を辺境に疎開させ、そこが第二銀河帝国の中心地となるという予言の序章。この惑星都市ファウンデーションの武器は科学技術であり、如何に武力に頼らずに知恵と経済で支配領域を増やしていくかが本作の醍醐味。サルヴァ―・ハーディンの「暴力は無能者の最後の避難所」は至言。読了日:8月25日 著者:アイザック・アシモフ

■海に消えた神々 (双葉文庫) 沖縄の海底遺跡、ムー大陸、遺跡捏造疑惑、教授の変死、美少女、警察と政治、そしてメディアといろいろな要素が満載であり、これがすべて結びついていれば、ずいぶん面白い話にはなるであろうが、著者は自制する。作中の「事実はもっと単純なものかもしれない」というセリフ同様に、殺人動機の最も多いのは「かっとして殺った」であろう、という「現実」的な小説。読了日:8月28日 著者:今野敏

■星を継ぐもの (創元SF文庫) 月で発見された5万年前の死体から読み解く人類と太陽系の物語。これぞ「サイエンス・フィクション」というようにあくまでも「科学」的な論理によって推理していくさまが素晴らしい。最後の一行まで読み見逃すことはでいない傑作小説。読了日:8月28日 著者:ジェイムズ・P・ホーガン

■嘘だらけの日中近現代史 (扶桑社新書) 歴史は物語である、とはいうものの著者が現在の「敵」と認定する中国の宣伝活動に対抗するためにあえて想像をたくましくした歴史物語かな、と。著者が昭和期の最大の失敗とする広報活動が、本書を読むことによって可能になるとはとても思えない。なぜなら、歴史マニア以外の普通の人々は、当時のものの考え方がどうであろとどうでもよくて、現在どのように見られるかが、とりわけ政治家にとって必要な資源だろう。とはいっても、中国への甘い見方を少し修正するには必要な劇薬かも、という側面も。ところどころの小ネタは面白いが出典がほしい。読了日:8月28日 著者:倉山満

■俺物語!! 4 (マーガレットコミックス) なんか表紙がいつもと違うっと思ったが、透かしでいつもの感じ。読了日:8月28日 著者:アルコ

■ヒストリエ(8) (アフタヌーンKC) 表紙のド迫力に比べて、本編は結構淡々としていたような。読了日:8月29日 著者:岩明均

■占星術殺人事件 (光文社文庫) 作品のメッセージやリアリティよりも、謎解きに何より頭を悩ませることを目的としたミステリーの醍醐味を味わわせてくる古典的作品、らしい。読んでいてまんまと罠にはまって頭を悩ませただけとなったが、答えを知ってしまえば、何よりも文章を素直に読む、殺人事件のセオリーを思い出せ、が謎を解くヒントだと思わせられた。妙なヒネクレやどんでん返しに頼らずに、率直な文章によって、読者を悩ませることができるのが、著者の技量というものなのだろう。すばらしい。読了日:8月29日 著者:島田荘司

■決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF) 謎に満ちた映画版を思い出しつつ読んでみたが、やっと筋がつかめた感じはする。ラストは『幼年期の終わり』に近い感じか。40年以上前の作品であるが、作品中の備品ではアイパッドっぽいものとカメラは現実のほうが異常な発達を遂げた模様。読了日:8月31日 著者:アーサー・C.クラーク

▼読書メーター http://book.akahoshitakuya.com/

2013年5月 7日 (火)

4月のまとめ(『政治学の道案内』、『リフレは正しい』ほか)

2013年4月の読書メーター読んだ本の数:11冊読んだページ数:2228ページナイス数:61ナイス http://book.akahoshitakuya.com/u/84966/matome?invite_id=84966

■政治学への道案内 (1984年) 最近、ページが倍になって文庫化された政治学の「教科書」。とはいえ、本書は二段組で内容もほとんど変わらないだろうから、どちらを読むかは趣味と懐具合の問題だろう(本書は100円で買った)。しかし、教科書とはいうものの初学者向けではないし、古い内容であるので、現在活躍している政治学者が読んだであろうという追体験的な読書と戦後思想の雰囲気を感じたい人向け。本書の簡易版という性格を持っているのが加藤秀治郎『政治学』だったりもする。読了日:4月1日 著者:高畠 通敏

■右翼と左翼 (幻冬舎新書) フランス革命時の制憲議会の国王の拒否権と一院制という論点をめぐって右と左に分かれた両派から、「右」の退場と「左」の「右」シフトとさらなる「左」の進出とその退場の過程が現在の左右翼の原点を形成し、このフランスの特殊事件が世界史的に展開していった過程を描く。論点がクリアで分かりやすく左翼と右翼の歴史と現状を理解できる。冷戦後の現在においては、左右ともに明確な理想像を描くことができず、自分が「むかつく」と思うものに対する罵倒語へと堕し、嫌がらせをすることに生き甲斐を感じる人々の傾向を表わすだけになったようだ。読了日:4月3日 著者:浅羽 通明

■リフレは正しい アベノミクスで復活する日本経済90年代初頭から日本銀行の金融政策を批判し続け、ついにその論敵たる日銀の副総裁に就任した著者。日銀が自らの不謬性を維持するために採り入れた人口減少論やIT化、グローバル化をデフレの原因とする説を批判し、政策目標の明確化と他の国並みの金融緩和の強調により、市場の「期待」に働きかけるレジーム・チェンジを主張する。本日の日銀の政策変更は、本書において既にほぼ述べられており、今日の市場の反応は上々であった。今後の「リフレ派」の課題は、消費増税を延期させ、いかに今の回復基調を本格化させるか、ということにあるようだ。読了日:4月4日 著者:岩田 規久男

■日本歴史の特性 (講談社学術文庫) 著者の本を初めて読んだが、この「尊王家」ぶりに少々驚く。しかしながら、当時話題になった古代の王朝交替説などを『古事記』や『日本書紀』の記述のつまみ食い的な論証に疑問を呈し、外国文献ならば信じられるとする戦後歴史学の傾向や、天武・持統朝のみに都合の良いように神話の書き換えが可能であったか、という問題提起は傾聴に値する。古代史に関しては、史料に信用が置けないならば全否定でもいいし、漢籍から元ネタを探る文献学的批判を主として論じるという方向しかないのかな。「神話」の扱いは、40年前から同じ議論をしてるんだな。読了日:4月7日 著者:坂本 太郎

■ベルセルク 37 (ジェッツコミックス) やっと航海編が終わりに近づいたか。妖精の国までいけば、旅は終わるとガッツは言うが、そんな目的でしたっけ…。読了日:4月7日 著者:三浦 建太郎

■宇宙兄弟(20) (モーニング KC) 今巻はいつにも増して感動話が多かったような。ムッタのお父さんの周回遅れのような感じがまた良いです。読了日:4月7日 著者:小山 宙哉

■アベノミクスのゆくえ 現在・過去・未来の視点から考える (光文社新書) 現在進行中の「アベノミクス」について、その金融政策について過去・現在・未来について詳細に論じている。現状については、4月初頭の日銀新執行部の政策をみてからの方が良かったように思うが、これまでの経緯を知るには良い本。今後の課題は、自民党に弱い再分配政策への目配りをして、第一次安倍内閣当時の格差批判といった議論に足元を救われないようにすること、また消費税増税を延期すること。消費税に関しては、最近の党首討論の渡辺喜美氏とのやりとり(「これが政治の難しいところ」という発言)をみると、安倍首相には何か考えがあるかも読了日:4月22日 著者:片岡 剛士

■惜日(せきじつ)のアリス言葉がテーマの小説。言葉は、それ自体の実態はあるけど、使う人や場所や時間によって、その意味や語彙が変わっていく。主人公は、言葉に魅力を感じ、それが中心となっているが、その時処しかなくあやふやな存在。そこに時処の継続を与える映画館と言葉に意思と意味をもたせた男が現れるが、壊れていく。次のステージは、現在という場と将来を考える擬似家族が設定されるが、過去が現れることで、過去・現在・未来が交錯し、それぞれの場は壊れていくものの、過去・現在・未来を受け入れる媒介としての言葉として再生していく。そんな話かなぁ。読了日:4月28日 著者:坂上 秋成

■日本防衛論 角川SSC新書 グローバル・リスクと国民の選択かなり悲観的な予測をもとに描かれた日本をとりまく未来図。日本の経済を内需主動で回復させ、東アジアの供給力を吸収することで、リスクを減らしていく、という著者の方向性は、いろいろと「過激」な提案をしているようで、基本は平和論なのだな、と感じさせる。エネルギー問題に関して流布している「改革」論への疑問はなるほどと思わせる。ドラスティックな転換よりも様々な異説をあえて主張することで、議論の活性化を目指していくってことかなぁ。読了日:4月28日 著者:中野 剛志

■GIANT KILLING(27) (モーニング KC) チームが色んな意味で最高潮にある状態がこの巻なのかな。次は個々人がどうやって独り立ちしていくか。奇跡の一年を描くお話という印象は最初からあったが、どうやって収束に向かっていくのかな。読了日:4月28日 著者:ツジトモ

■天の血脈(2) (アフタヌーンKC) 面白い。日露戦争前夜と神功皇后の三韓征伐が時空を超えて遂に交錯してしまった。食わせ物な「英雄」若き張作霖と、仲哀天皇のなんとも言えない残念な描写も含めて、『ヤマトタケル』ともども、安彦近代史・古代史の真骨頂を見せてくれる。読了日:4月28日 著者:安彦 良和

2011年12月 1日 (木)

11月の読書メーター

11月の読書メーター
読んだ本の数:40冊
読んだページ数:9660ページ
ナイス数:15ナイス

伊藤博文の情報戦略―藩閥政治家たちの攻防 (中公新書)伊藤博文の情報戦略―藩閥政治家たちの攻防 (中公新書)
情報と権力を軸に、明治期の藩閥政治家たちの情報の発信、流通、阻害、誤解を書簡や日記などをたよりに彼らの抗争を描く。面白いのが、警視庁の密偵ではなく、内閣の密偵の存在。内閣を組織したものが、藩閥の政敵同士で密偵を送り、その情報を得ようと躍起になっている明治期の裏面史である。また、伊藤が中江兆民にそれなりの関心があったこと、井上毅を伊藤の幕僚や「法制官僚」ではなく、「政治家」として理解していること、伊東巳代治と伊藤との愛憎半ばする関係を描いたところなど、面白い視点がいくつかある。
読了日:11月30日 著者:佐々木 隆
機動戦士ガンダム THE ORIGIN (23)  めぐりあい宇宙編 (角川コミックス・エース 80-28)機動戦士ガンダム THE ORIGIN (23) めぐりあい宇宙編 (角川コミックス・エース 80-28)
連載はじめて10年だったんですね。長かったような短かったような。圧倒的な筆力で毎巻楽しませてもらったが、これで最後。Zガンダムに続くのかと思いきや、既に他の方が描いているようで、それはなさそう。というのも「ララァはわたしの母に~」と言うシャアの描写を見る限り、安彦先生にとって、シャアはあの時点で死ぬべきであって、シャアは復讐を遂げつつ、唯一の友ガルマへの贖罪として死んでいく。ガンダムは、あくまで完結したストーリーであって、その後はない、という安彦先生のガンダム観が現われた最後のように思えた。
読了日:11月29日 著者:安彦 良和
沈黙の宗教――儒教 (ちくま学芸文庫)沈黙の宗教――儒教 (ちくま学芸文庫)
近代日本において、進化論がすんなり受け入れられて、また人気を博した理由は何であろう、と思っていたが、著者がリチャード・ドーキンス『利己的な遺伝子』は儒教の死生観、つまり生命の連続性という考えに最も適合している、という指摘に得心した。本書は、宗教としての儒教を強調するが、宗教を儀礼としてのそれに限定せず、人間に対する生命観として広く理解する。家族がいるもの、一族がいるものというかなり一般性の高い人々を前提にしすぎている感があるが、儒教文化圏の「強い女性」、子ども手当案、ダンボール仏壇案など興味深い点が多々。
読了日:11月29日 著者:加地 伸行
いたこニーチェ (朝日文庫)いたこニーチェ (朝日文庫)
ニーチェ哲学をわかりやすく解説した小説。「普遍的真理」は存在しないが、それを擬制として各人は受け入れていかなければ、共同生活としての政治は成り立たない。そのため、支配の哲学としてプラトン以後の系譜はいまだ必要だが、各人が世界解釈は各人の生存に有利なものに過ぎないという擬制を忘れて、心底信じてしまうことは紛争の種になる。しかし、各人がそれを擬制であることを理解して、常に合理的な世界観に動揺を与えるような姿勢を保持しつつければ危険は回避できる。理念ではなく、現実を直視し疑うことから始めましょう、ということか。
読了日:11月28日 著者:適菜収
歴史の終わり〈上〉 (知的生きかた文庫)歴史の終わり〈上〉 (知的生きかた文庫)
有名だがあまり読まれていない本。ヘーゲルの自由を獲得していく過程という歴史哲学を20世紀に最解釈したコジェーヴにのっとり、冷戦の終了は「歴史が終わった」時代とみる。上巻は、20世紀の独裁政権の不可避的な終焉を論じる。
読了日:11月28日 著者:フランシス フクヤマ
ヒストリエ(7) (アフタヌーンKC)ヒストリエ(7) (アフタヌーンKC)
通常版を買ったが、作品を見てみると限定版の将棋がやりたくなる。でも高いよなぁ。
読了日:11月24日 著者:岩明 均
REAL 11 (ヤングジャンプコミックス)REAL 11 (ヤングジャンプコミックス)
面白いんだが、また次に出るのがしばらく後か、と思うと、残念でならない。
読了日:11月24日 著者:井上 雄彦
ふたつのスピカ 16 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 16 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
本当に面白かった。変な言い方だが連載中でのこの作品との出会いでなくて、よかったと思う。最終話まで一気に読みたくなる穏やかだが熱のある作品。素晴らしい作品に出会えたことに感謝。
読了日:11月24日 著者:柳沼 行
ふたつのスピカ 15 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 15 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
読了日:11月24日 著者:柳沼 行
ふたつのスピカ 14 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 14 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
読了日:11月24日 著者:柳沼 行
ふたつのスピカ 13 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 13 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
読了日:11月24日 著者:柳沼 行
ふたつのスピカ 12 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 12 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
読了日:11月24日 著者:柳沼 行
ふたつのスピカ 11 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 11 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
読了日:11月24日 著者:柳沼 行
ふたつのスピカ 10 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 10 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
読了日:11月24日 著者:柳沼 行
ふたつのスピカ 9 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 9 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
読了日:11月24日 著者:柳沼 行
伊藤博文―知の政治家 (中公新書)伊藤博文―知の政治家 (中公新書)
政治家というよりも思想家としての伊藤を論じた作品。そのため、政治外交史的な記述は少なく伊藤の目指した政治構想に焦点を当てる。そこで見られるのは有能な為政者が、経済発展と実学教育によって育成された非政治的な「社会」における民を治める非ナショナリズムの儒学的な民本主義者としての伊藤である。もし今後、思想家としての伊藤を論じるなら伝統思想との関係が重要かもしれない。その観点から日韓の統治に関して、伊藤は変わらない。彼は、民の将来を信頼しつつ、非政治的な経済人を育成しようとする非ナショナリズムの統治者だから。
読了日:11月23日 著者:瀧井 一博
キングダム 24 (ヤングジャンプコミックス)キングダム 24 (ヤングジャンプコミックス)
龐煖って実在の人物だったのか。3年後の大戦争に向けてのキャラ紹介を兼ねた巻。安定して面白いなぁ。
読了日:11月23日 著者:原 泰久
ふたつのスピカ 8 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 8 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
読了日:11月23日 著者:柳沼 行
ふたつのスピカ (7)ふたつのスピカ (7)
読了日:11月23日 著者:柳沼 行
ふたつのスピカ 6 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 6 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
読了日:11月23日 著者:柳沼 行
ふたつのスピカ 5 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 5 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
読了日:11月23日 著者:柳沼 行
ふたつのスピカ 4 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 4 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
読了日:11月23日 著者:柳沼 行
ふたつのスピカ 3 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 3 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
読了日:11月23日 著者:柳沼 行
ふたつのスピカ 2 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 2 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
1巻につづいて、どういう話だ?と思わせるエピソードが同時収録の読み切り連載作品で解き明かされているという構成がうまい。
読了日:11月21日 著者:柳沼 行
ふたつのスピカ 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ふたつのスピカ 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
立ち読みしてたら不覚にも泣けてきてしまったので、購入。貧乏な親子の話に、私はほんとに弱い。
読了日:11月21日 著者:柳沼 行
坂本龍馬 (岩波新書)坂本龍馬 (岩波新書)
再読。基本史料の突き合わせにより龍馬のたどった日にち確定に情熱を燃やしている作品。本書を読むと龍馬という人物が様々な人物と交流した「浪士之巨魁」であることが分かる。やはり「討幕派」の中のトップ10には入る重要人物だったのだろう。後半の軌跡をみていくと彼が「武力討幕」にこだわらないが、「倒幕派」であることは明らか。それほど「倒幕」にこだわったかは、有名な「日本を今一度せんたく」の書簡にみえるように、外国勢力を支援して長州を叩こうとみえた幕府への敵意であり、彼の「攘夷派」の精神がそれをなしたんだな、という印象
読了日:11月21日 著者:松浦 玲
南原繁―近代日本と知識人 (岩波新書)南原繁―近代日本と知識人 (岩波新書)
母親の期待からの家長教育が共同体主義的な思想が原点ととなり、キリスト教とカントとの出会いで普遍主義的思想をもち、両者をフィヒテによって接合する。これによって普遍主義的でありながら、愛国主義者として生きることを可能にした南原の軌跡をたどることができる。戦後についての記述が駆け足になってしまったのが残念だが、飽きさせず読ませていただいた。
読了日:11月21日 著者:加藤 節
龍馬暗殺の謎 (PHP新書)龍馬暗殺の謎 (PHP新書)
霊山歴史館の3D解説映像で飛び出る学芸課長として幕末ファンにはおなじみ(?)の著者による本。澤宣嘉を「土佐脱藩浪士」とする凡ミスや引用史料の解説に首をかしげてしまうような解釈を加えていたりと読む者を試す気の抜けない読書をさせてくれる。しかし、「藩論」を始めとして様々な引用史料を紹介してくれているので、そのへんは便利。ただし史料をしっかりと読んで解説に惑わされないよう気を付けなければならない。PHP新書を読んで毎回思うのだが、編集はちゃんと仕事しているのだろうか。
読了日:11月16日 著者:木村 幸比古
坂本龍馬を斬った男 (新人物文庫 い 3-1)坂本龍馬を斬った男 (新人物文庫 い 3-1)
今井信郎の孫による評伝。信郎に対する評価には多少首をかしげてしまう所があるが、近江屋事件に関する推理はなかなか読ませるものがあり、「龍馬を斬った男」は今井なんだろうな、という印象。「渡辺篤」は、「渡辺吉太郎」ではなく、「渡辺一郎」というのはなるほどと思わせるが、渡辺証言自体を読んでいないそうなので、後半部の近江屋からの帰り道のリアルさにふれていない所が残念。また机竜之助のモデルが今井だというのは、面白いし、「免許とか目録を持っている人を斬るのは素人より容易」という言は剣客から軍の時代への転換を思わせる。
読了日:11月14日 著者:今井 幸彦
アオイホノオ 7 (ゲッサン少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)アオイホノオ 7 (ゲッサン少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)
ついに「岡田斗司夫」が登場。「やったもん勝ちや」という人生観は、ああいう家庭環境から生まれたのか、と感心する。対するホノオ君は、この年にデビューするようだが、果してどうなるのか。
読了日:11月14日 著者:島本 和彦
十三角関係 名探偵篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈2〉 (光文社文庫)十三角関係 名探偵篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈2〉 (光文社文庫)
風太郎先生の性格が投影された荊木歓喜シリーズが収録。表題作のラストの悪をなしながら善人である人という語りと、唐突に道徳は人間が創り上げたもので天然自然にはないという二宮尊徳の哲学が語られてハッとした。財政再建のため封建支配を切り崩す重商政策を行い、守旧派と公儀に睨まれて、藩乗取りを企てたとして処刑された仙石左京という「悪役」の姉を妻としたため罪を問われ自害した悲劇の人・山田孝徳という祖先を持つ風太郎、そして孝徳の孫で尊徳を自身の哲学に適合すると再発見して驚喜した加藤弘之の奇妙な附合を感じざるを得なかった。
読了日:11月10日 著者:山田 風太郎
福沢諭吉 (岩波新書 青版 590)福沢諭吉 (岩波新書 青版 590)
どうも私は福澤諭吉が苦手で、福澤関係の本を読んでも途中で投げ出してしまっていた。やはりカッコ良すぎるのだ。そして、取り上げる人も福澤の偉大さを強調するあまりひねくれものの私は引いてしまう。本書は、福澤と直に接した人物であり、父が福澤の弟子であった小泉の作品で「福澤惚れ」の一つではあるものの、著者の上品さと、どのように書いても自身の福澤への敬愛の念は変わらないとの確信から思想家であり家庭人であり愛国者である福澤の実像を描いていてくれている。そのため、福澤への拒否反応を和らげてくれた。著者最晩年の好著。
読了日:11月09日 著者:小泉 信三
木戸孝允 (1968年) (中公新書)木戸孝允 (1968年) (中公新書)
人気があるはずなんだが、ほとんどない桂小五郎の伝記。主に幕末までで明治以後は付け足しののような記述。しかも、伝記とはいうもののどちらかと言うと木戸自身よりも幕末の通史という形式を取る。筋を通すという革命期には重要な資質が建設期になると融通の効かない性格になってしまった「理性の人」を描く。
読了日:11月06日 著者:大江 志乃夫
眼中の悪魔 本格篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈1〉 (光文社文庫)眼中の悪魔 本格篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈1〉 (光文社文庫)
初期のミステリー集の第一巻。医学校卒と戦後派の経歴が小説のトリックとテーマになっている。
読了日:11月06日 著者:山田 風太郎
誰にもできる殺人―山田風太郎傑作大全〈4〉 (広済堂文庫)誰にもできる殺人―山田風太郎傑作大全〈4〉 (広済堂文庫)
アパートの一室の住人に受け継がれていったノートに記された殺人事件の記録を元にした連作短編。しかし、最後には全体をつなぐ黒幕の存在が明かされる。その「真実」はホラーでもある。文句なしに面白い。
読了日:11月02日 著者:山田 風太郎
吉田松陰 (岩波新書 青版 55)吉田松陰 (岩波新書 青版 55)
徳富蘇峰『吉田松陰』の戦後版として書くという意識があらわれた伝記。松陰自身というよりも、松陰が現われてくる前提としての時代相に焦点を合わせ、「革命家」松陰の思想を描く。占領下という時代に書いたものらしく、西欧と、また大商人と結びつく幕府=日本政府という視点を暗示させ、松陰の政治家になりきれない「祖国愛」に燃える一青年として幕末と占領時代を重ねあわせえいる。
読了日:11月02日 著者:奈良本 辰也
GIANT KILLING(21) (モーニングKC)GIANT KILLING(21) (モーニングKC)
試合の展開→記者さんの解説→逆転→記者さんの何事もなかったかのように逆転した解説→逆転、というミステリーの残念な刑事の役回りがみられて面白い。
読了日:11月01日 著者:ツジトモ
GIANT KILLING(20) (モーニングKC)GIANT KILLING(20) (モーニングKC)
佐倉監督の過去編が収録。サッカー界は全くわからないが、こういう経歴の人っているんだろうか。
読了日:11月01日 著者:ツジトモ
エリート!!~Expert Latitudinous Investigation TEam~(1) (ヤングマガジンコミックス)エリート!!~Expert Latitudinous Investigation TEam~(1) (ヤングマガジンコミックス)
ストーリーよりも絵の面白さに目が行ってしまう。これはもはやネタでやってるのか、天然なのか。
読了日:11月01日 著者:新條 まゆ
7人のシェイクスピア 5 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)7人のシェイクスピア 5 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
今回も悲惨な話が続いているが、ちょっと失速感が否めないかも。
読了日:11月01日 著者:ハロルド 作石

2011年11月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

2011年11月 2日 (水)

10月の読書メーター

10月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:3804ページ
ナイス数:32ナイス

近代日本の国家構想―1871‐1936 (岩波現代文庫)近代日本の国家構想―1871‐1936 (岩波現代文庫)
井上馨、福澤諭吉、徳富蘇峰、吉野作造、民政党までの近代日本の「中間派」である二大政党制の可能性についての研究。明治初期の独裁を必要とする「富国派」、対外的拡大に明治維新の精神を見出す「強兵派」、公議輿論の拡大を求める「民主派」の相克として描き、帝国憲法の「正統」的解釈はないとして、「大権政治」「内閣政治」「民本政治」の内閣と議会との関係を分析することで摘出する観点も面白い。
読了日:10月28日 著者:坂野 潤治
兆民先生・兆民先生行状記 (岩波文庫 青 125-4)兆民先生・兆民先生行状記 (岩波文庫 青 125-4)
実像はどうあれ、「革命の鼓吹者」としての兆民のイメージを決定づけた著作。翻訳の材料として仏典を研究したり、漢学を学びなおしたりと、伝統思想を踏まえた西洋思想の受容を兆民が行おうとしていたことが語られる。また、勝海舟、西郷隆盛、島津久光とのクーデター計画や、有名な坂本龍馬「梅毒」説の出典でもあり、何度読んでも興味深い作品。
読了日:10月28日 著者:幸徳 秋水
高杉晋作 (中公新書 60 維新前夜の群像 1)高杉晋作 (中公新書 60 維新前夜の群像 1)
面白い。司馬遼太郎の『世に棲む日日』よりも面白さを感じさせる文章と構成で高杉の生涯を描いてくれる。最後のページは電車なのに、涙ぐんでしまった。しかし、これで高杉の生涯を振り返ると彼の活躍は龍馬なみに最後の1、2年なんだなぁ、と。当時の「志士」として最高峰の知識人であり、儒教的革命家としての高杉は、明治後生きていたらどうなっただろうか。明治の高官になったようには思えない。堅固な封建道徳の持ち主の彼は、廃藩置県の際に、自由な文人として政治外から眺めることができたか、「反動」を理解しつつ、藩に殉じたか。
読了日:10月24日 著者:奈良本 辰也
夜よりほかに聴くものもなし―山田風太郎傑作大全〈8〉 (広済堂文庫)夜よりほかに聴くものもなし―山田風太郎傑作大全〈8〉 (広済堂文庫)
面白い。久しぶりに納得の風太郎小説を読んだ。異常ともいえる正義感で、犯罪を犯す人々を「それでも」と老刑事が手錠をはめるところですべての事件が終わる。この繰り返しのワンパターンでも読ませる傑作。風太郎先生の戦後社会批判のミステリー。
読了日:10月24日 著者:山田 風太郎
明治開化  安吾捕物帖 (角川文庫)明治開化 安吾捕物帖 (角川文庫)
アニメ化に合わせて読んでみた。ミステリーとしてどうかというと分からないが、様々な人間模様の描き方は面白い。また、山田風太郎の明治物、とりわけ『警視庁草子』の原型なのかな、という印象も。勝海舟が刺絡で悪血をとるという習慣があったことを知ったのは収穫だった。
読了日:10月24日 著者:坂口 安吾
大平正芳―「戦後保守」とは何か (中公新書)大平正芳―「戦後保守」とは何か (中公新書)
「好きな政治家」についての知的な人の回答に「大平正芳」が多いことに、違和感を感じていたが、本書に引用される彼の文章を読むとそれは理解できる。やはり含蓄のある面白さがあるのだ。戦前回帰の「保守」がまだ自民党の中で一定の勢力を持った中で、まず戦争への反省と日本国憲法に書かれた理念をとりいれ、自由な市場経済を軸とした政治姿勢として大平は「保守」を再定義した。本書によれば、それはかなり自覚的に行なわれ、自民党の性格付けとして大平は主導的な役割を果たしたようだ。学生時代のキューピー人形と一緒に写真に収まる大平に微笑
読了日:10月24日 著者:福永 文夫
日本の行政―活動型官僚制の変貌 (中公新書)日本の行政―活動型官僚制の変貌 (中公新書)
「国権の最高機関」とされる議会の構成員たる政治家は、なんだかんだと言っても強い。「官僚優位」とされる日本政治において、自民党時代の政調会における族議員の影響力は、良かれ悪しかれ強くて「政党優位」があったという。現在の民主党でも政調会が復活されるというが、政権交代が当然とされるシステムならば、政官の密接な関係から官の側が容認してしまった野放図な財政運営も抑止しつつ、また政治家の行政のチェック機能が働くのではないか。
読了日:10月16日 著者:村松 岐夫
ドリフターズ 2巻 (ヤングキングコミックス)ドリフターズ 2巻 (ヤングキングコミックス)
だんだんと世界観がわかってきた。ここで描かれる戦国時代の武士というものに、何故かリアリティを感じてしまう。平野先生、うまいなぁ。巻末とカバーを取った表紙の「元新選組副長」と「豊臣秀頼」の解説になるほどと納得させられた。
読了日:10月16日 著者:平野 耕太
点と線 (新潮文庫)点と線 (新潮文庫)
昭和という時代もずいぶん古くなって、時代劇を読んでるような印象になりかけているが、内容に古臭さを感じさせず、楽しめました。
読了日:10月16日 著者:松本 清張
罪と罰 1 (BUNCH COMICS)罪と罰 1 (BUNCH COMICS)
表紙で話題だが、1、2話の画力に本気を見せているように見えるが、後半はいつもの画太郎先生でした。巻末コラムを読むと、恐ろしく志の高い漫画のようだが、きっとそうなんでしょう。たぶん。
読了日:10月12日 著者:漫F画太郎
戦後思想を考える (岩波新書 黄版 142)戦後思想を考える (岩波新書 黄版 142)
八〇年出版の本でも資本主義が終わる、と書いているのに驚く。もっとも一、二年前もそんなことが言われていたから、十年一日の感もあるが。この傾向にある人々にとって、高度経済成長がどれだけつらいことであったかが、分かる一冊。海軍嘱託として書いた大東亜戦争末期の「国策転換に関する所見」が史料として面白い。
読了日:10月12日 著者:日高 六郎
権威と権力――いうことをきかせる原理・きく原理 (岩波新書 青版 C-36)権威と権力――いうことをきかせる原理・きく原理 (岩波新書 青版 C-36)
自発的に「いうことをきく」ようにさせる「権威」と、暴力や規制を背景に「いうことをきかせる」「権力」の違いを明らかにしつつ、そのどちらもない社会の可能性はないか、と語りかける。著者は、ない、とする。しかし、その可能性を常に心に描くことで、「権威」や「権力」で「まとめる」のではなく、個々人が「調和」する社会に少しでも近づくことができるのではないか、という。具体的な構想ではなく、自由な発話状態による議論を積み重ねることで、「理」に近づく努力をする、という思想を語った兆民の伝記作者らしい、「ユートピア」論。
読了日:10月10日 著者:なだ いなだ
思い出袋 (岩波新書)思い出袋 (岩波新書)
政府が代表する日本国家ではなく、「くに」に対する離れがたい気分としての日本と、自身の青春時代を育ててくれた米国という二つの「祖国」に対する思い出を中心に綴ったエッセイ。抽象的な思考ではなく、あくまで日常性を大事にする著者の考えが、国を語るのではなく個々の出会った人を語る姿勢にみられるように感じる。
読了日:10月06日 著者:鶴見 俊輔
近代日本の陽明学 (講談社選書メチエ)近代日本の陽明学 (講談社選書メチエ)
「おのれみずからの本心に立ち返り、その澄みわたった清い精神を外界に及ぼして平和な社会を築いていこう」という陽明学的心性の人々をめぐる思想史。陽明学的な性質を軸に、水戸学、キリスト教、カント、社会主義が受容されていったという。全体としてのまとまりがあったかといえば、その点はうまく理解できなかったが、個々の論点については勉強になった。
読了日:10月06日 著者:小島 毅
政治とカネ―海部俊樹回顧録 (新潮新書)政治とカネ―海部俊樹回顧録 (新潮新書)
信念ある「凡庸」政治家の回顧録。「凡庸」というのは、政治改革に信念を持ちつつも党内の反対があれば、良い意味でも悪い意味でも「狂気の宰相」であった小泉氏のように正面突破せずに、「議会政治」の理念に準じて解散権を行使できなかった常識的な保守政治家という意味で。「カネ」は三百万ないと「立たない」とか、デパートの紙袋には二億入るとか、庶民にはうかがい知れない「カネ」にまつわる具体的な事例が面白い。また、皇室との関係で「戦後民主主義者」としての意志を貫徹した部分など興味深い。
読了日:10月05日 著者:海部 俊樹
坂本龍馬坂本龍馬
刊行が1965年で、90年代までオーソドックスな研究者が龍馬をほとんど論じることがなかったというわけで、最もよく読まれたであろう研究者による龍馬論。暗殺の犯人を本文で述べず、注で見廻組が「定説となっている」という書き方や、暗殺時に中岡と挙兵倒幕と時期を待つよう自重を促したとの推測が書かれたことで、その後の薩摩黒幕説などの「異説」の想像を促すきっかけになったかもしれない。
読了日:10月05日 著者:池田 敬正
TN君の伝記 (福音館文庫 ノンフィクション)TN君の伝記 (福音館文庫 ノンフィクション)
「TN君」を通して、幕末から明治後期までを描く。「TN君」の目と著者の「ぼく」との視点が交錯し、前者の視点に立ちつつも、これが書かれた昭和後期の問題としてもこの世界を垣間見ることができる。そのため、明治の視点と昭和の視点、そして読者である現代の視点で物語を楽しめる。西郷論がなかなか興味深い。
読了日:10月03日 著者:なだ いなだ

2011年10月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

2011年10月 3日 (月)

9月の読書メーター

9月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:3997ページ
ナイス数:12ナイス

北一輝――国家と進化 (再発見 日本の哲学)北一輝――国家と進化 (再発見 日本の哲学)
北一輝の国家思想を、進化論的な科学主義と、天皇と国民が文字通り一体となる有機的な国家に準拠しているとし、その進化論はプラトンの理想国家にモデルを見出す特殊なものであった、と指摘する。そして、その行き着く先は、人類は起源のとしての「神」と同様な「神類」へと円環的に進化し、すべての人間は個ではなく、全体としての有機体と一体化した状態となる。これまであまり論じられてこなかったプラトンとの関わりを指摘したところが鋭く、また社会生物学の極致の状態を北に見出している。また北を中心とした国家思想史として勉強になる。
読了日:09月30日 著者:嘉戸 一将
龍馬史龍馬史
大変平易な文章で書かれた龍馬を中心とした幕末史。「~ではないでしょうか」という著者の推測も大筋で納得できる内容。まずはこの本で「常識」を確認した上で、他の「龍馬本」の「荒唐無稽」な話も、「史実と違う!」とか青筋立てずにフィクションとして楽しむ準備ができるのではないでしょうか。
読了日:09月30日 著者:磯田 道史
東大オタク学講座 (講談社文庫 お 103-1)東大オタク学講座 (講談社文庫 お 103-1)
みたままのものを楽しむのではなく、その背景にある論理や物語を楽しむのが「オタク」。前者の消費者は一定の市場を形成するまでに認知されたが、後者の流通や生産に関わる可能性のある層の衰退が、「オタク」産業の衰退につながる、というのが近年の著者の危機感だろうか。
読了日:09月28日 著者:岡田 斗司夫
北一輝―日本の魂のドン底から覆へす (ミネルヴァ日本評伝選)北一輝―日本の魂のドン底から覆へす (ミネルヴァ日本評伝選)
ナショナリズム(「国家≧国民主義」)という思想軸を社会状況によって、国家と国民との重点を移す現実主義的社会主義者として、北を描く。かなり「状況」としての通史的部分が多いものの、独特な史観を読みやすく書かれている。
読了日:09月27日 著者:岡本 幸治
宇宙兄弟(15) (モーニングKC)宇宙兄弟(15) (モーニングKC)
あまり正面に据えてこなかった恋の話を描いているのは異色なような気がするが、三〇男と十五歳の少女というのは、作者の照れなんでしょうか。
読了日:09月27日 著者:小山 宙哉
ベルセルク 36 (ジェッツコミックス)ベルセルク 36 (ジェッツコミックス)
たしかパックの国へ向かう話だったような…。この篇をこれだけ長くやる理由はこの先明らかになるんだろうか。
読了日:09月27日 著者:三浦建太郎
神々と天皇の間―大和朝廷成立の前夜 (朝日文庫)神々と天皇の間―大和朝廷成立の前夜 (朝日文庫)
婚姻関係から読み取って神武から開化九代の葛城王朝が物部氏を圧倒し、古代国家へと脱皮しようとしたところを崇神天皇に乗っ取られて「大和朝廷」となった、とする。神武東遷から大和平定は天之忍穂耳から開化までのエピソードの神話化。また古代の王権は、第二子相続で第一子は祭主権を持っていたが、応神天皇ぐらいで一本化されるという転換があった。葛城王朝と大和朝廷を結びつけたのは、葛城王朝の子孫である蘇我氏が歴史編纂に関わったから、と説く。1970年の出版で崇神の勢力として纒向に注目していたのは面白い。
読了日:09月22日 著者:鳥越 憲三郎
いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)
デブ:お腹に余裕があると食べる人。小太り:出された食事は全て食べないといけないと思う人。やせ:満足すれば食事を残しても良いと思う人。これをどう意識化してコントロールできるか、を説いた本。私は、小太り的倫理観をもっているので、どうしても運動をしないと適正体重を維持できない、ということが意識化できた。
読了日:09月22日 著者:岡田 斗司夫
修羅維新牢 山田風太郎幕末小説集 (ちくま文庫)修羅維新牢 山田風太郎幕末小説集 (ちくま文庫)
不条理に始まり不条理に終わる。いつもながらの風太郎小説だが、それでも読ませるのがすごい。ただ自己評価が低いようで、確かに他の幕末小説に比べてものたらないような気も。
読了日:09月21日 著者:山田 風太郎
中江兆民評伝中江兆民評伝
細かいところにまで目が配られた伝記。事実関係の確認としては便利だが、分析視角は少々古いように感じられる。
読了日:09月19日 著者:松永 昌三
ゼロ年代の想像力 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1)ゼロ年代の想像力 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1)
「95年の思想」の特徴から堕落へ。そしてゼロ年代の決断主義的「暴力」を回避する「物語」の豊かな可能性を指摘。注でしかふれられていないが、「銀魂論」が秀逸だった。
読了日:09月16日 著者:宇野常寛
経済成長は不可能なのか - 少子化と財政難を克服する条件 (中公新書)経済成長は不可能なのか - 少子化と財政難を克服する条件 (中公新書)
デフレ脱却のために日銀に国債引き受けをさせて、当面は需要を喚起させる財政出動によって景気を回復させ、成長率がある程度高まった時期に段階的に消費税率を上げて、社会保障を安定させよ、という内容。「失われた20年」の原因を円高にもってきているのはあっているかどうかは分からないが、独特なところ。また「ムダを削れ」という主張は、あまり効果がないどころか、景気を冷え込ませるだけ、というのも面白いところだった。
読了日:09月12日 著者:盛山 和夫
新自由主義の復権 - 日本経済はなぜ停滞しているのか (中公新書)新自由主義の復権 - 日本経済はなぜ停滞しているのか (中公新書)
生産者のためではなく消費者のための、既得権者のためではなく新規参入者のための、事前の審査の「賢人政治」ではなく事後規制の効率的な政府による統治可能な市場経済を設計しようという提案の書。
読了日:09月07日 著者:八代 尚宏
理学者 兆民―ある開国経験の思想史理学者 兆民―ある開国経験の思想史
「ルソー主義者」ではない兆民論。兆民がルソーから受け入れた最大のものは、徹底した虚構性から理想を発見しようとする態度であり、「理」の一元的な真理への信念を基礎づける典型としてのそれであった。
読了日:09月05日 著者:宮村 治雄
ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体 (講談社プラスアルファ新書)ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体 (講談社プラスアルファ新書)
B層よ、岩波文庫を読め!という内容。
読了日:09月02日 著者:適菜 収

2011年9月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

2011年9月 1日 (木)

8月の読書メーター

8月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2549ページ
ナイス数:15ナイス

民族とネイション―ナショナリズムという難問 (岩波新書)民族とネイション―ナショナリズムという難問 (岩波新書)
エスニシティとネイションの概念から、歴史的に見ることのできるそれらの現象、そして展望が述べられる。結論的なことは抑制して述べられていない。しかし、それだからこそ、長く読まれるべき作品となったであろう。
読了日:08月30日 著者:塩川 伸明
キングダム 23 (ヤングジャンプコミックス)キングダム 23 (ヤングジャンプコミックス)
「軍師」というのが、この時代にあったかどうかは不安だが、この漫画のよいところは、「作戦」を重視しつつも、あまり荒唐無稽な描写をしないところ。4年後の李牧戦がどのように展開するか。
読了日:08月21日 著者:原 泰久
信長協奏曲 5 (ゲッサン少年サンデーコミックス)信長協奏曲 5 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
金ヶ崎の退き口の斬新な解釈。これだけでも一見の価値あり。考えて見れば、ここ二十年ぐらい「少年漫画」の信長にほとんど名作が生まれていないが、この作品はその一つに数えられるのは確かだろう。
読了日:08月21日 著者:石井 あゆみ
信長協奏曲 4 (ゲッサン少年サンデーコミックス)信長協奏曲 4 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
個人的に興味のあった信長の後継者問題を元信長の前妻の子ということでさらりと言及されている。となると、その養子への展開、長男・信忠も殺されてしまった本能寺はどうなるのか、ラストが気になるところ。
読了日:08月21日 著者:石井 あゆみ
廃藩置県―「明治国家」が生まれた日 (講談社選書メチエ)廃藩置県―「明治国家」が生まれた日 (講談社選書メチエ)
廃藩置県は明治維新当初から計画されたことの実行だったのか、それとも唐突に現われた政権構想であったのか、を検証する著作。結論的には著者は府藩県三治体制による漸進的中央集権化が明治政府のもっていた構想であるとする。これは大久保・岩倉を中心とみなした場合であり、通説的な急進派の木戸を始めとする長州派を中心に見ると廃藩置県=郡県化は既定であったようにもみえる。ようするに維新政権にそれを実行するだけの力がなかっただけということになる。細かい事情に興味のある人には面白いが、ざっくりとした理解は通説でよいだろう。
読了日:08月21日 著者:勝田 政治
ヒカルの碁 完全版 20 (愛蔵版コミックス)ヒカルの碁 完全版 20 (愛蔵版コミックス)
初期に比べるとほんとに絵が変わったなぁ。囲碁部の先輩って誰よって感じになってきたが、この絵が『デスノート』につづいているって感じ。最後まで主人公はなにか秘めたものを持っているが、それが必ずしも勝利に結びつかないという勝負の世界の厳しさを表現してくれた。完成ではなくいつも発展途上である、だから最高の友人を追いながら、つづける意味がある、という新しい主人公像をみせてくれた。
読了日:08月19日 著者:小畑 健
ヒカルの碁 完全版 19 (愛蔵版コミックス)ヒカルの碁 完全版 19 (愛蔵版コミックス)
ずいぶん前に18巻を買ったまま、つづきを放置していたが、こういう展開だったのか。
読了日:08月19日 著者:小畑 健
信長協奏曲 3 (ゲッサン少年サンデーコミックス)信長協奏曲 3 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
帰蝶(=濃姫)との関係は山岡荘八っぽいが、道三・光秀の関係が司馬遼太郎っぽい。秀吉の造形は池上遼一と山田芳裕っぽい、と過去の作品をうまく取り込んでいる。そしてまた、信長の主要政策を難なく分かりやすく物語に組み込んで説得力を持たせている。しかし、サブロー君、たまに教科書を広げているが、明智とか家康の記述にまったく目を通さないあたりが面白い。
読了日:08月19日 著者:石井 あゆみ
信長協奏曲 2 (少年サンデーコミックス)信長協奏曲 2 (少年サンデーコミックス)
ここまで帰蝶と仲が良すぎると、後継者たちの誕生がどうなってしまうのかが気になるところ。しかし、この無理な設定で無理なくストーリーを進める作者の手腕が凄い。
読了日:08月19日 著者:石井 あゆみ
信長協奏曲 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)信長協奏曲 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
この作品の魅力をどう伝えたらいいのだろう。歴史知識ほぼゼロの高校生がタイムスリップして信長と入れ替わる話で、こんな絵だよ、と説明してもなかなか手を出させることは難しい。しかし、読めばその凄さが分かるのだ。それがもどかしい。
読了日:08月19日 著者:石井 あゆみ
山風短(3)青春探偵団 (KCデラックス)山風短(3)青春探偵団 (KCデラックス)
風太郎先生の小説の中でも、もっとも普通であまり面白くない作品のコミック化なので、内容はパッとしない。時代劇がつづいたから、少し毛色の違うものをということだろうが、どうなんでしょう。次回の「枯葉塔九郎」はかつて水木しげる先生も描いたものであり、期待ができる。
読了日:08月19日 著者:せがわ まさき
二大政党制批判論 もうひとつのデモクラシーへ (光文社新書)二大政党制批判論 もうひとつのデモクラシーへ (光文社新書)
最後まで読んで「二大政党制批判」に同調しないとしても、現在までの政治学の流れが簡単に一望できる良書。とりわけ90年代の「政治改革」批判は秀逸。昭和50年代生まれは、怖いもの知らずで凄いですな。
読了日:08月01日 著者:吉田 徹

読書メーター

2011年8月 3日 (水)

7月のまとめ

7月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:4203ページ
ナイス数:16ナイス

世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書)世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書)
これだけ精緻な分析をできる人でも、選挙予想は外れてしまうらしい。本当に選挙はやってみなければ分からない世界のようだ。
読了日:07月25日 著者:菅原 琢
兵学と朱子学・蘭学・国学 (平凡社選書)兵学と朱子学・蘭学・国学 (平凡社選書)
兵営国家としての徳川日本の支配原理は、良心の選択を容認しない徹底した世俗的法の支配。それをイデオロギー的に支えたのは、朱子学ではなく、戦国末期以来の組織戦に則した兵学であった。また身分ではなく個人の力量で業績を上げ仲間をつくる蘭学、経済成長に乗りきれない人々を癒す国学。最後の国学に関しては、2000年代という時代の刻印が感じられる。
読了日:07月22日 著者:前田 勉
日本政治の座標軸―小選挙区導入以後の政治課題 (Ichigei library)日本政治の座標軸―小選挙区導入以後の政治課題 (Ichigei library)
円滑に政権交代可能な政治システムのための参議院改革の憲法改正と地方議会選挙の改革を主張。また用語説明等が分かりやすい。
読了日:07月20日 著者:加藤 秀治郎
福澤諭吉―文明の政治には六つの要訣あり (ミネルヴァ日本伝選)福澤諭吉―文明の政治には六つの要訣あり (ミネルヴァ日本伝選)
三分の二ぐらいが幕末編。伝記的な部分をこれまでかというぐらい詰め込んでいる。『丁丑公論』が従兄弟の増田宋太郎の処刑記事を見て書き始めた、という推理はちょっと面白いと思った。
読了日:07月19日 著者:平山 洋
ウツボラ(1) (F×COMICS)ウツボラ(1) (F×COMICS)
うーん、ちょっと分かんないです。エロくはあった。
読了日:07月19日 著者:中村 明日美子
銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)
荒川先生、さすがです。ファンタジーで一時代を築いた作家がまったく別の日常を描いても全く面白い。サンデーという大作家なら長く自由に連載できるということで、長く楽しめそうです。
読了日:07月19日 著者:荒川 弘
封建制の文明史観 (PHP新書)封建制の文明史観 (PHP新書)
今谷氏は、真面目な学者なので、本書のほとんどで「何々参照」とことわっており、各論点においては先行研究の記述そのままである。その点で、「封建」に関するブックガイドとして役に立つ。本書での論点は、モンゴル帝国への抵抗と封建を関連づけ、日本における封建の議論を概観し、最後に梅棹忠夫とウィットフォーゲルにつなげる、というところを提示したことにある。しかし、肝心ななぜ封建が外国の侵入への抵抗に強いか、というところは特に述べられていないような気がする。そのあたりは残念。
読了日:07月14日 著者:今谷 明
ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る (光文社新書)ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る (光文社新書)
自著に関する解説、また最新作の十九世紀末のアナーキズムとナショナリズムの交錯の面白さを語ってくれている。編者の解説も分かりやすくてよい。
読了日:07月11日 著者:梅森 直之
スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫
少なくとも十年ぐらい前に読みたかったなぁ。十年前に中村正直訳を読んで、真ん中ぐらいで挫折してしまったから、かっこつけないで、先にこちらを読めばよかった。
読了日:07月11日 著者:サミュエル スマイルズ
宇宙兄弟(14) (モーニングKC)宇宙兄弟(14) (モーニングKC)
最近、自動車開発という経歴が役に立ってなぁ。僕の気持ちにしびれました。
読了日:07月10日 著者:小山 宙哉
ミトコン 1 (ジャンプコミックス)ミトコン 1 (ジャンプコミックス)
表紙を見て画太郎先生どうした!?と思ったが、内容はいつもどおりの「はうあ」でした。安心。
読了日:07月10日 著者:漫☆画太郎
開国経験の思想史―兆民と時代精神開国経験の思想史―兆民と時代精神
日本政治思想研究の見本のような作品。明治におけるフランス革命観、また福澤諭吉の明治維新観が興味深い。
読了日:07月07日 著者:宮村 治雄
大奥 7 (ジェッツコミックス)大奥 7 (ジェッツコミックス)
やっと時代が一巡した。秀逸な「解釈」に中興の祖で名君誉れ高い吉宗がなぜ開国に踏み切らなかったか。それは女が支配する国であることが分かると、男社会の他の国からの侵略の危機がある、ということ。これはこの物語を展開する上で、スジの通った解釈だな、と。また逆に世襲制ならば、男系よりも女系の方が確実ではないか、という吉宗の発言もなるほどと思わせる。そしてついにこの物語の原点ともいえる(?)女将軍説という奇説のある家重の登場で、幕末にいたる男女逆転がどのように行われるのか、作者の手腕に期待が高まる。
読了日:07月06日 著者:よしなが ふみ
思想からみた明治維新―「明治維新」の哲学 (講談社学術文庫)思想からみた明治維新―「明治維新」の哲学 (講談社学術文庫)
近年の幕末史を扱ったものは、開国派は時代の先覚者で、攘夷派は頑迷な狂信者のような描き方をするが、60年代にはまだ彼らを民族主義の立場からの共感がみられる。本書は、阿部正弘という現実政治家の再評価をしつつも、山県大弐から吉田松陰、久坂玄瑞にいたる「自覚的攘夷派」への満腔の共感を示している。そこには客観的には誤ていても主観的には時代をつくる参加者としての自覚をもつ、「愛国主義」的で「民主」的な運動の安保闘争の記憶が生々しく残っていたからかもしれない。
読了日:07月06日 著者:市井 三郎
幕末維新の政治と天皇幕末維新の政治と天皇
面白すぎる。これほど面白く、読みやすく整理された幕末史も珍しいのではないか。単純な「狂信的な攘夷論者」ではない孝明天皇論、薩長同盟は慶応元年に既に成立していたという指摘、徳川慶喜と薩摩は天皇・公議政体論という政治構想において一致しており、その後の政治過程はそこでの主導権争いにすぎない、というアイデアにはなるほどと思わせる。慶喜は、「徳川絶対主義」など考えていなかったのだ。
読了日:07月04日 著者:高橋 秀直
維新風雲回顧録---最後の志士が語る (河出文庫)維新風雲回顧録---最後の志士が語る (河出文庫)
すこぶる面白い。本人に文才があったのか、優秀な編集が付いていたのか、分からないが、臨場感あり、昭和における坂本龍馬暗殺犯の指摘なども面白い(多分これが正しい。名前は間違ってるけど)。しかし、興味深いのは開国派への同情の無さや土佐藩の公議政体論についてのコメントはほとんどないところ。昭和という時代がそうさせたのか、田中が晩年までルーツを守っていたのか。そのあたりも面白い。
読了日:07月04日 著者:田中 光顕

読書メーター

2011年7月 1日 (金)

6月の読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:3432ページ

満州事変から日中戦争へ―シリーズ日本近現代史〈5〉 (岩波新書)満州事変から日中戦争へ―シリーズ日本近現代史〈5〉 (岩波新書)
これまでのシリーズとは異なり、社会史的叙述は格段と少なくなり、かわりに外交史が大ボリュームで叙述される。この20年間の1930年代研究がいかに外交史に力を入れてきたかが、分かる内容。
読了日:06月30日 著者:加藤 陽子
ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~(12) (ヤングガンガンコミックス)ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~(12) (ヤングガンガンコミックス)
前の巻からやっと面白くなってきたが、今巻もそのテンションは変わらず。やはり藤原先生はアクションの作画が圧倒的。武闘大会編を挿入したのは大成功であったように思う。今回の見所はアブサンの父への何者かの憑依。「ああ そうだね」のページは本当に素晴らしい。また砂族虐殺後の第三者的立場のアルスたちが衝撃を受ける中、日常的に被害を受けてきたイシスの人びとがあまり嫌悪感なく、お茶をどうぞ~みたいな描写はうまいと思う。
読了日:06月28日 著者:藤原 カムイ,梅村 崇,堀井 雄二
三国志―演義から正史、そして史実へ (中公新書)三国志―演義から正史、そして史実へ (中公新書)
「儒教」と「名士」を軸にした三国志論。魯粛の革新性を指摘したところが面白い。
読了日:06月26日 著者:渡邉 義浩
大正デモクラシー―シリーズ日本近現代史〈4〉 (岩波新書)大正デモクラシー―シリーズ日本近現代史〈4〉 (岩波新書)
普通選挙を求めるデモクラシー派、普選では社会構造が変わらないとして直接行動を重視する社会主義・マルクス主義派、資本家に包摂されるデモクラシー派は気に入らないが、君主国という国体を危機に陥らせる共産主義派も気に入らない国粋派の対立と協調の鼎立状態という社会思想を軸に、それらからはみ出る女性、植民地の人びと、被差別民が主体性をもちはじめた時代相を描く。社会史に寄りすぎて政治史の方がいまいちな印象であるが、大正時代という地味な時代の可能性を多く示唆させる著作。
読了日:06月24日 著者:成田 龍一
アオイホノオ 6 (少年サンデーコミックススペシャル)アオイホノオ 6 (少年サンデーコミックススペシャル)
一巻からイッキ読み。面白すぎる。否定の大きさが自分の殻を守るための、対象に対する評価に比例する。次巻にはついにあの方も登場。しかし、ホノオ君とガイナックスの物語を軸にするとどうしても後者の展開が気になりすぎる。
読了日:06月22日 著者:島本 和彦
アオイホノオ 5 (少年サンデーコミックススペシャル)アオイホノオ 5 (少年サンデーコミックススペシャル)
読了日:06月22日 著者:島本 和彦
アオイホノオ 4 (少年サンデーコミックススペシャル)アオイホノオ 4 (少年サンデーコミックススペシャル)
読了日:06月22日 著者:島本 和彦
アオイホノオ 3 (少年サンデーコミックススペシャル)アオイホノオ 3 (少年サンデーコミックススペシャル)
読了日:06月22日 著者:島本 和彦
アオイホノオ 2 (少年サンデーコミックススペシャル)アオイホノオ 2 (少年サンデーコミックススペシャル)
読了日:06月22日 著者:島本 和彦
アオイホノオ 1 (ヤングサンデーコミックス)アオイホノオ 1 (ヤングサンデーコミックス)
ライバルがあまりにでかい存在すぎる。
読了日:06月22日 著者:島本 和彦
進化倫理学入門 (光文社新書)進化倫理学入門 (光文社新書)
「気のいい奴が一番になる」。「利己」の勧めではなく、「利他」が結局「利己(=遺伝子の存続)」につながるという論旨。形而上学的志向や理念を排除するため、自由意志と責任論を回避し、刑罰は他への影響を考慮して行われる。社会進化論との差別化は、財や権利の「配分」を「正義」とすることで長期的利益を獲得できるというどちらかといえば個よりも集団の利益を考慮する点で似ているが、現実的な権力闘争で実現される法を超越した「人権」を重視している点で相違を明らかにしている。
読了日:06月15日 著者:内藤淳
日清・日露戦争―シリーズ日本近現代史〈3〉 (岩波新書)日清・日露戦争―シリーズ日本近現代史〈3〉 (岩波新書)
一般に日露戦争が日本の転換期とされるが、本書では日清戦争がそれであると指摘。日清戦争直前の「7月23日の戦争」を述べることで、単に日清間のものではなく、日朝間のものでもあったことを明確にする。たまに「政治に興味はあるが政局に興味はない」というような高踏的な趣味の人いるが、政治史を描くには政局が重要であることが本書を読めば分かるだろう。シリーズの2巻に比べて、思想史の部分は減り、文学史がこれに変わっているが、これも「抵抗」という点ではこの時代の特徴かもしれない。
読了日:06月07日 著者:原田 敬一
7人のシェイクスピア 4 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)7人のシェイクスピア 4 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
英国における旧教と新教のわかりやすい対立の歴史を描き、その中での英国の階級社会、人々の意識を描く。今回も『ハムレット』の着想のヒントとなると思われるエピソードを盛り込みながら、ラストの思わぬファンサービス(ご婦人に限る)に驚かされる。
読了日:06月07日 著者:ハロルド 作石
STEEL BALL RUN スティール・ボール・ラン 24 (ジャンプコミックス)STEEL BALL RUN スティール・ボール・ラン 24 (ジャンプコミックス)
第6部同様に主人公ではなく、サブキャラが止めを刺す。そして最終的な勝者である彼女は、「幸せ」を獲得したようだ。しかし、読み返さないとよく分からんところがあるようなので再読が必要かも。
読了日:06月06日 著者:荒木 飛呂彦
CLAYMORE 20 (ジャンプコミックス)CLAYMORE 20 (ジャンプコミックス)
前の巻のラストは何だったんでしょうか。今回もラストにすべてをもってかれました。
読了日:06月06日 著者:八木 教広
民権と憲法―シリーズ日本近現代史〈2〉 (岩波新書)民権と憲法―シリーズ日本近現代史〈2〉 (岩波新書)
明治10年代の自由民権期の時代相を描く。一般に日清戦争によって生じた「国民」意識の養成が、この時期のさまざまな施策がそれを育て、民権運動もそれに手をかしていたという「国民国家」論として論じる。その当否はともかく、政治史、経済史、社会史、思想史、外交史を盛り込んだ良書である。つめこみ過ぎと思う向きには、参考文献としてあげられているものを、関心に合わせて読むブックガイドとして役に立つだろう。
読了日:06月05日 著者:牧原 憲夫
通史の方法―岩波シリーズ日本近現代史批判 (歴史学叢書)通史の方法―岩波シリーズ日本近現代史批判 (歴史学叢書)
岩波新書の「シリーズ日本近現代史」の総論として書かれたものだが、『幕末・維新』、『民権と憲法』、『占領と改革』への批判が厳しすぎて同シリーズ10巻目として出版されなかったもの。『幕末・維新』の明治維新は必要なかった、という主張への疑問は私も感じたことである。近代史になると著者も認めるように、マルクス主義的分析視角が強くなり、少々読みにくいが、「クソ実証主義者」を自認する著者の通史が読めるという面白さはあるだろう。
読了日:06月02日 著者:宮地 正人

読書メーター

2011年6月 1日 (水)

5月の読書メーター

5月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:4755ページ

幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書)幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書)
幕末の政治史を中央政局からよりも、事件の現場、民衆、経済、少数民族、東アジア、西欧列強の視点から描く。最新の学説を取り入れ、その点では便利な本であるが、「維新史を書き直す」、「天皇制近代国家の国家創世「神話」」をくつがえすことには成功していないように思われる。
読了日:05月31日 著者:井上 勝生
完訳 統治二論 (岩波文庫)完訳 統治二論 (岩波文庫)
鵜飼訳、伊藤訳も読んできたが、本書は今後2、30年くらいの息をもつ決定版となるだろう。以前の訳に比べてロックが少々意地が悪い感じがするが平易な訳で読みやすい。前篇は、神がアダムに与えた絶対主権と家父長権という主張を聖書の誤読と批判する神学論争。後篇は人間の生命・自由・財産という固有権を保持するために、人びとの同意と契約によってつくられる政治社会はいかなるものかという説明。ホッブズとの違いは、自然法が政治社会においても統治者だけではなく社会の構成員に残されているため、抵抗を可能にする人民主権を認めるところ。
読了日:05月26日 著者:ジョン・ロック
日本思想史読本 (東洋経済・読本シリーズ 42)日本思想史読本 (東洋経済・読本シリーズ 42)
いまだ縄文時代から戦後の経済成長時代までをあつかった唯一の日本思想史の教科書。オーソドックスではあるが大体の重要項目を網羅しており、近代になると批判が目立つが、まだ一読の価値ある教科書。
読了日:05月26日 著者:
ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書)ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書)
定評ある「入門」書。ホントに「入門」かどうかは分からないが、ハイデガー、レヴィナスから逆照射してギリシア哲学とキリスト教を基盤とするヨーロッパ思想を読み解く。キリスト教の理解の手助けになるのでは。
読了日:05月25日 著者:岩田 靖夫
ヨーロッパ社会思想史ヨーロッパ社会思想史
平易な教科書。19世紀後半の思想として、ニーチェ、フロイトとならんでダーウィンを取り上げているのが類書にはない特徴があるように感じられる。
読了日:05月23日 著者:山脇 直司
キングダム 22 (ヤングジャンプコミックス)キングダム 22 (ヤングジャンプコミックス)
今回の巻はちょっと暑苦しすぎかも。。
読了日:05月19日 著者:原 泰久
STEEL BALL RUN スティール・ボール・ラン 23 (ジャンプコミックス)STEEL BALL RUN スティール・ボール・ラン 23 (ジャンプコミックス)
やっぱ、ラスボスはあの方!!途中アップの絵が下絵みたいな表現になってたけど、あれは新しい表現なのだろうか。
読了日:05月19日 著者:荒木 飛呂彦
西欧政治思想史〈3〉マキアヴェリとホッブズ (1977年)西欧政治思想史〈3〉マキアヴェリとホッブズ (1977年)
本巻は、マキアヴェリとホッブズ。前者は、従来の静的な国家を分析する政治学ではなく、危機もしくは転換期の政治指導者について語る「新しい政治学」とつくり、後者は内乱という危機から再び平和な状態を形成維持するために、内乱に類似した「自然状態」を構想することによって、絶対主権確立の理論を提示した。30年も前の本であるが、この時期にはまだホッブズの主権者と神の問題はあまり論じられていなかったのであろうか。ほとんどふれていない。
読了日:05月16日 著者:シェルドン・S.ウォーリン
ホッブズ哲学と近代日本ホッブズ哲学と近代日本
ホッブズの政治哲学の概観、明治日本での受容史、そして日本での研究史をまとめた著作。第一編のホッブズの解説は簡にして要を得たものとなっており、また第三編の研究史も便利であった。第二編でもフランツ『国家生理学』の翻訳者に穂積陳重を措定するなど、興味深い。しかし、『リヴァイアサン』の抄訳『主権論』の発議と校正に加藤弘之が関わっていたという推定は如何だろうか。著者自身が加藤はホッブズを直接読んでおらず、ヴント『倫理学』の引き写しであり、加藤が「妄想」だと断じた「性法学派」としてホッブズを挙げているというのに。
読了日:05月13日 著者:高橋 真司
複数の「古代」 (講談社現代新書)複数の「古代」 (講談社現代新書)
『古事記』、『日本書紀』を手がかりに「古代」の「事実」を探るのではなく、それぞれのテキストを厳密に検討することで、それぞれの描く異なる「古代」を再現する。そのことにより、「天皇神話」によって語られる「歴史」を相対化させる試み。
読了日:05月08日 著者:神野志 隆光
王様ゲーム(1) (アクションコミックス)王様ゲーム(1) (アクションコミックス)
『バクマン』で主人公達に憧れて、似たような作風で話題になったというようなエピソードはこの漫画に対する皮肉だったのかな。特につづきは気にならない。
読了日:05月08日 著者:画・連打 一人:作・金沢 伸明
リヴァイアサン 4 (岩波文庫 白 4-4)リヴァイアサン 4 (岩波文庫 白 4-4)
「学説の真理」は「理性か聖書かに依存する」とするホッブズの最終弁論。付録の「反論」に対する解答もほとんどが聖書解釈に関わるものであり、現在の我々と異なる当時の関心がうかがえる。
読了日:05月08日 著者:ホッブズ
リヴァイアサン 3 (岩波文庫 白 4-3)リヴァイアサン 3 (岩波文庫 白 4-3)
「神の王国」は神の代理人で政治的主権者として君臨した「モーシェ」の国とキリストが再臨する「審判」後の国であり、「現在」の教会支配の国ではないと否定。またキリスト教の教義は「イエスはキリストである」に限定し、それ以外を聖書から拡大解釈して支配権を強めようとする教会勢力を聖書の逐条的な解説により退け、政治的主権の絶対性確保の必要を説く巻。聖書の勉強になりました。
読了日:05月08日 著者:ホッブズ
『古事記』神話の謎を解く―かくされた裏面 (中公新書)『古事記』神話の謎を解く―かくされた裏面 (中公新書)
『古事記』のオオクニヌシとスクナヒコナが出会う場面で、本来密接な関係である両者であるのになぜスクナヒコナは忘れられた神であったか、という奇妙な疑問を提示している。『古事記』の国造りの箇所でのスクナヒコナの役割が限定的なのはおかしいなら分かるが、出会いの場面でスクナヒコナが知られていないのはおかしいでは意味が分からない。「日本」神話の両義性やアジスキタカヒコネとアメワカヒコは同一神とか、天孫降臨と持統・文武関係とのアナロジーはおかしいという指摘は面白かったが、平易な文章なのにかなり読者にやさしくない本である
読了日:05月06日 著者:西條 勉
リヴァイアサン〈2〉 (岩波文庫)リヴァイアサン〈2〉 (岩波文庫)
2巻は「人工的人間」であるコモン・ウェルスの設立と性質について。平和と安全のため、一人または多数の人間の合議体に絶対的な主権を与え、それを自分自身の代理人として服従する。処罰の権利の部分で人々は代表者に権利を与えたのではなく、自然権を放棄し、一人もしくは合議体にそれを残したと語られることで、主権者は何でもできる権利を維持するとされるが、別のところでは自然法に服さなければならないとされている。その自然法は神に基礎づけられており、心身一元論を説いたホッブズも無神論者ではない。しかし、それは教会の神とは異なる。
読了日:05月06日 著者:T. ホッブズ
リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)
1巻目。人間本性論から自然法の存在を説き起こす。用語の確定または定義こそが学問でまず始めなければならないことを強調する。訳はひらがなが異常に多い。
読了日:05月02日 著者:T. ホッブズ

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