ブログランキング

Amazonサーチ

無料ブログはココログ

« 野上忠興『安倍晋三 沈黙の仮面』3 | トップページ | 週末読んだ青空文庫 »

2017年2月 9日 (木)

「青空文庫」を読み始める

 Kindle Paperwhiteは以前から所有していたのですが、どうも電子書籍の価格が高くて、急がないならBOOKOFFで買ったほうが得じゃないか、と思って、ほとんど使っていなかったのです。

 ところが英語の再勉強にと思って、Kindleで英語の本をダウンロードして読み始めていたので、何となく身近においていたのです。そうしたら、KindleからAmazonに入った時に、カテゴリーに「青空文庫」とあって、クリックしてみたら、驚きの充実度。しかも、長編の全部収録も99円で買えるものがあると知って、これは使うしかない、といろいろダウンロードしてしました。
 ランキング上位と目についたものから、読んだことないものを選んでざっと目を通すことにします。

 先日から、読んだものを一言コメント入りで紹介します。

1.坂口安吾「堕落論」

 そういえば、読んだことがなかったわ。自己の欲望を隠蔽して建前で生きていた戦前の社会から、一度「堕落」して、自己利益や選好する価値観に浸ってみる。そうした上で、自分たちの利益や価値観に都合の良い「建前」をつくっていきましょうよ。とか、そうしたもののようですね。

2.菊池寛「真田幸村」

 最初の方で、「幸村」は江戸時代に作られた名前と書かれているのですが、菊池寛の時代から指摘されていたのに、なかなか大衆文化の中に浸透しなかったのですね。そう考えると江戸時代の文化の強さというのはあなどれない。

3.丘浅次郎「戦争と平和」

 平和とは次の戦争への幕間である、という悲観的な国際政治観を披瀝したエッセイ。同じ進化論者の加藤弘之は戦争はなくならないとしつつも、将来的には経済や文化の一体性が高まって世界政府(「宇内統一国」)が成立すると考えていたのを暗に批判しています。しかし、平和が幕間であったとしても、日本は長い歴史の中で、一時的に集中的な戦争時期があるものの、幕間の方が長いような気がして、地政学的に良い国なのではないかとも思えました。

4.丘浅次郎「人道の正体」

 人道の正体とは、利他心が他の社会的動物に比べて希薄な人間が他の種族との生存競争に勝ち抜くための社会的・文化的なルールであると指摘しています。そうしたイデオロギー暴露というよりも、だからこそ利他心を強調しなければならない、という辺り、当時の日本は集団主義とは程遠く、よほど利己主義的な人が多かったのでしょう。

5.宮沢賢治「雨ニモマケズ」

 折にふれて読み返すように、端末の方に保存しておきましょう。

6.宮沢賢治「『注文の多い料理店』序」

 これはひどいな。これ「注文の多い料理店」ではなく、単行本の『注文の多い料理店』の序文ですよ。ランキング上位なのは、みんな「注文の多い料理店」を読みたかったからでしょう。こんなの分冊するんじゃないよ。

7.小林多喜二「蟹工船」

 明治の社会主義者の「志士仁人」的前衛に頼ってはダメだ、労働者各人が意志を持って団結して革命に当たろう、というメッセージが最後にありますね。使用済みの猿股を部屋の端っこにすてておくというのは、どういうことなんでしょう。当時の荒くれ者たちは、そんなこと気にしなかったのでしょうね。

8.桑原隲蔵「支那人間に於ける食人肉の風習」

 古代から中世にかけての、飢餓や復讐や籠城、嗜好のために中国人が人間を、とりわけ生きている人間を食べるために殺したという事例をあげている作品です。しかし、大半は、実際食べたのか、修辞として書いているのか、判別しがたいものもあります。ただ、人肉を食べる話を中国人が好んでいたことは確かです。
 日本では、ほとんど見られないと書いてあって、「あれ、秀吉の高松城水攻めは?」と思って確認したら、鳥取城の方でしたね。どちらにしても、『信長公記』に書かれている有名な話に言及しないのは如何なものか。

9.坂口安吾「続堕落論」

 「天皇制」についての論評ですね。誰も真剣に尊重しようとせず、自分の意見や立場を強化するための方便として利用されてきた歴史から考えれば、本音を吐き出すことから、本当の自由やルールが作られると考える著者とすれば廃止した方が良いと主張しています。

10.宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」

 動物たちからちょっかい出されて、毎日朝まで楽器を弾いていたら、超絶巧くなっていたという話。

11.服部之総「新撰組」

 公武合体の尊王攘夷派の浪士集団として新撰組を池田屋事件までの概要。

12.服部之総「福沢諭吉」

 幕末維新期を、あくまで非政治的で、自己の政治思想を語らず文明の紹介者として、時代に影響を与えつつ、生き延びた学者の半生。それがなんでも言えるようになったのは、慶應義塾という経済基盤ができたから、というのは福澤の『学問ノススメ』で述べられているとおりでしょう。日本人よ、独立した人間になりたかったら、経営者になれ、という本ですものね、あれって。

13.服部之総「尊攘戦略史」

 古くてマルクス主義的史観ではありつつも、複雑な幕末史の概観を短いエッセイでつかむことができます。

14.加藤弘之「森林太郎「西周伝」の序」

 これも本当に「序」です。1頁に満たないものです。

15.福沢諭吉訳「アメリカ独立宣言」

 あらためて読むと、案外長いんですね。

とりあえず、15作品。長編は、少しづつ読んでいきます。

よろしければ、クリックお願いいたします。


本・書籍 ブログランキングへ
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

« 野上忠興『安倍晋三 沈黙の仮面』3 | トップページ | 週末読んだ青空文庫 »

青空文庫」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「青空文庫」を読み始める:

« 野上忠興『安倍晋三 沈黙の仮面』3 | トップページ | 週末読んだ青空文庫 »

最近のトラックバック

2019年3月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31